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  • 2018.07
    会話に必要な引き出し
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    たとえ賛成しなくても相手を理解しないと会話は成り立ちません。相手を理解するには少しでいいから教養が必要です。自分の引き出しに経験や知識が詰まってないといけません。若い時は引き出しの中は空っぽかガラクタばかりかも知れませんが、年齢を重ねるにつれて自分のストーリーでいっぱいになってくるものです。

    昨今コミュニケーションがうまく行かないことが問題になっています。

    相手を理解する姿勢や習慣がないと会話にはならないでしょう。それは自分で考えることに慣れていないことが原因であるとも言えます。スマホでのチャットは製造工場の組み立てライン作業のようなものです。ニュースを見ているといっても流れてくるものを受動的に閲覧しているだけになっているかも知れません。自分の頭で考える「間」や引き出しの中味がないといけないのです。「間」を考えずに反応していては、他者との会話にはなりません。本人はテキパキと仕事をこなしているように感じているかも知れませんが。

    コンサルタントの仕事というのは掴みどころのないものですが、実は以上のことを職業としているのです。日本のコンサルタント業界のレベルも先行き不安ですね。


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  • 2018.05
    フィデューシャリー・デューティーとは「受託者責任」
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    Fiduciary Dutyとは何か?

    これはUSで仕事をしたことがある方なら一度は遭遇した用語だと思います。日本語にはならない英語の一つではないでしょうか(私は法律の専門家ではないので要確認です)。

    「Fiduciary Duty」には2つあって「Duty of Care」と「Duty of Loyalty」とに分かれています。

    「Duty of Care」というのは「同様のポジションにある賢明な方が選択するであろうという方法で奉仕する義務」ということです。「Duty of Loyalty」というのは、「自分の利益を後回しにしてでも忠実に義務を果たす」ということです。Family Lawでは親は未成年の子にFiduciary Dutyを負っています。自分の身の危険をかえりみずに子の安全を守るというのは、法の目から見れば当然のことなのです。アメフトのヘッドコーチ(監督)と選手の関係もそうだと思いますね。

    ビジネスの世界では、会社の役員は、株主全員に対してFiduciary Dutyを負っています。自分の役員としての地位を利用して自分の身内と会社との取引をして会社に損失をもたらすと、その役員個人に株主から損害賠償請求ができます。

    パートナーシップの弁護士事務所とかコンサルティング会社でもFiduciary Dutyが議論になります。パートナーは本来自分の利益を後回しにしてもクライアントや部下に奉仕すべきなのです。組織内の上下関係は日本の中世でいう主君と武士の関係と同じです。 部下も個人的にFiduciary Dutyを負っていると考えます。御恩と奉公の関係ですね。つまり、日本の封建制度です。

    元々これは日本人の美徳であったはずです。でも、そんなFiduciary DutyやDuty of Loyaltyは今の日本では影も形もなく蒸発しています。いたるところに偽善や卑怯が蔓延しているようです。


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  • 2018.04
    プラクティスということ
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    Practice 【名】
    1. 〔上達のための〕練習、訓練、演習
    Practice makes perfect. : 習うより慣れろ。/練習[訓練・稽古・実践]することで完璧に(できるように)なる。/練習[訓練・けいこ・実践]が完璧[完全](な技[技術])を作り上げる。
    2. 〔理論や計画などの〕実践、実行、履行
    3. 〔練習などによる〕上達、熟練
    4. 〔日常的な〕活動、行為
    5. 〔医師などの専門職の〕仕事、実務
    6. 〔医師などの専門職の〕営業、開業
    7. 〔習慣的な〕慣行、慣例◆【用法】通例practices
    8. 《法律》訴訟手続き

    エリック・ホッファーだったと思いますが、「人生はボートを漕ぐようなもの」だと書いていました。ボートは背中の方に向かって自分で漕いで進んでいきます。両側の岸にぶつからないように左右を確認しながら進んで行きます。通り過ぎた川面は見えますが、自分が今進んでいる方向は、背中の方なので見ることが出来ません。

    過去(慣行)をオールでかきながら、刻々と変化する状況を確認し、見えない未来(目標)に向かって後ろ向きに進んでいる(実践)のです。川の流れの中で状況を読み(勘と経験と度胸が必要でしょう)、リスクを評価しながら進み続ける。

    コンサルティングの組織や仕事を「practice」と呼ぶことがあります。これは過去の経験や慣例を確認しながら、実践・実行していくということです。人の人生も一緒ですよね? まさにボートを漕ぐようなものなのです。過去を確認せず信念(信じるもの)もなかったら、ボートはすぐに両岸に乗り上げてしまいます。


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  • 2018.02
    カーリング藤沢選手 ~ メタ認知能力
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    藤沢選手の 「心に ‶もう1人の自分″ を宿すトレーニング」とあるのは「meta-cognitive ability」(高次認知能力)というもので、過度にスマホに依存する現代社会ではますます必要となる能力の一つです。藤沢選手はもう一人の自分から自分を客観視して、それをチームメンバーと共有するというったコミュニケーションを行っています。

    「振り返りができる」というのは、高次認知能力があるということです。認知を認知するということはいくつになっても非常に重要なポイントです。一方、対極にあるのが「アスペルガー症候群」といわれるもので、高齢化社会の日本では街中がアスペルガーの老人で溢れかえる危険性に満ちています。

    ibgノートのKPT(keep, problem, try)は日々「ふりかえる」ためのフォーマットです。


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  • 2017.12
    自由とは?
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    コンサルティング・ビジネスでは、プロジェクト(仕事)のことをエンゲージメント(engagement)といいます。 コンサルティングの仕事は一人ではできません。音楽で言えば、ジャズやブルースのジャム・セッションみたいなものです。「他者との関わりのあり方」の優劣が成果の全てです。

    サルトルは「人は拘束(アンガジュマン)されている」って言ったのですが、このアンガジュマンは英語だとengagementのことです。サルトルの真意はよく分かりませんが、私の理解は「人は一人では生きられない」です。

    要するに、「主体的に自分から参加する責任がある」と言っているのだろうと思います。大企業でガバナンスと言われる監視の下、言われたことだけに忙殺されるのは、本来の参加ではなくengagementを放棄しているような気がします。つまり、人が人生を生きることの責任回避です。ちょっと言い過ぎかもしれませんね、、、。

    「今(若い時)は何者でもない」というのが、サルトルのいう“ただ単に存在するだけ”、所謂「実存主義」で、人生とは実存から本質(“何者”か)に変身していくことです。人にはそういった責任がある。

    サルトルは人間は自由だから自由でないと言っているのかも知れません。生きるも死ぬも、その人の自由、だから人間は自由。でも、不安や不条理の中で、孤独に苛まれる、したがって自由ではない。しかし、主体的に自分の人生を生きろ、、、と。

    今年は印象的な一年でした。

    サルトルなんて、高校生の時、授業をサボって喫茶店で「カッコええな、、」と思ったのですが、まさか、今になってまた考えるなんて思ってなかった。

    よいお年を!


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  • 2016.03
    マネジャーの役割
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    日本では、マネージャーの役割に少々誤解があるようです。

    部下の一人ひとりに対して、基本となる特性(attribute)の中で弱い部分を気づかせ、組織の考えを説明し、賛同させ、同じ方向に向かわせる。 このことは、マネージャーの重要な役割なのです。 欧米のマネージャーの時間の多くは、こういったことに使われます。 日本では、マネージャーの役割は、氷山の水面に出ている部分に対して、質と時間の観点から管理すればいいというのが一般的のようです。

    スキル・知識の部分、基本となる特性の部分、そして、情緒から形成される個性、この3つをうまくマネージしないと、日本人以外のスタッフをマネージすることは難しいのではないかと思います。

    また、自分の人生においても(特に氷山の下の部分)、自分の生き方として、積極的に色々なものを、どういうふうに取り込んでいくかを考えていないと、知らない間にどこかに流されて、終いには溶けてなくなってしまいます。

    ちょっと上から目線で厭味でしたか? 失礼しました。


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  • 2012.06
    人生と資産の関係
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    若いときに、お金がなくても生活に満足だとちょっと困ります。 期待値を下げて現状に身を委ねるのは如何なものでしょうか? 一方、期待値を下げず絶好調時の生活レベルをいつまでも維持しようするのは、自分で自分のクビを絞めていることです。 年とともにお金がなくても楽しめる精神力やワザを身につけることが一番。

    しかし、問題もあります。 それは、人は通常死ぬ前に病気になることであり、いつ死ぬか分からないことです。 資産ゼロで死ぬことはウルトラCですね。 出来る限り家族や友人の絆を強固にすることで、あらゆる衝撃に備えるしかないのでしょう。

    アメリカというところは、教会や学校を中心に地域社会が確立しています。 意外かもしれませんが、コミュニティって割としっかりしているのですよ。 昔の日本のように。


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  • 2012.03
    「ホウレンソウ」とC3
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    「ホウレンソウ」、つまり、報告、連絡、相談。 多くの人が社会人になった時に新入社員研修や先輩から教わることですね。 これは古今東西を問わず一番大事なことです。

    私のバージョンは、真ん中に「自分との対話」があることです。 他者との対話の前に自分との対話、つまり、自分と向き合うことがあるということです。 これは、自分が納得しないと相手は説得できないという意味です。

    コンサルタントの本質は「対話をしながら真理(問題解決)に近づく」です。 自分だけで考え結論に至っても(自分だけが納得しても)だめで、「報・連・相」と「自己との対話」のバランスが重要です。 知識や解決策を売るだけでは長続きはしないものです。

    C3(command, control & communication)と言われるアメリカやNATO軍の指揮命令系統は「ホウレンソウ」と同じです。 生死をかけた戦争もベーシックはホウレンソウだということです。


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  • 2012.03
    人望について
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    『学問のすすめ』の最終回は「人望編」です。 「友達をいっぱいつくることが肝要である」と言っています。

    いつの時代でも、どの国で仕事をするにも大切なことは、まわりの人たちに理解してもらい支持されることです。 これが「人望」であり「求心力」です。 仕事を決められた期日内に終わらせることだけがリーダーシップではありません。 時間と品質だけを管理するのが管理職の仕事ではないのです。 仲間に対する気遣いやリスペクトがないと、組織としての相乗効果は生まれないもので、メンバーに対しても、何でも言わせる雰囲気を意識的につくり出すこともリーダーの重要な仕事です。

    実は、これはワーク・ライフ バランスでもある。 つまり、相手のライフも尊重するということです。 自分のライフだけを尊重し、他者に自己主張だけをするのは間違いです。 福沢さんが強調する「人間交際(じんかんこうさい)」、つまり、ソーシャルスキル(社交性)の欠如だと言わざるを得ません。

    福沢さんは、「人望編」で以下のことに気をつけなさいと言っています(少しばかり私の拡大解釈、、、)。

    1. 言語をまなばざるべからず(日本人なんだから日本語をしっかり勉強しなさい)。
    2. 顔色容姿を快くして、一見、直ちに人に厭わるること無きを要す(表情は明るく服装は身綺麗に、外見で人に嫌われることのないようにしなさい)。
    3. 論語「道同じからざれば相与(とも)に謀らず」を誤解しないように(考えや主義主張が違う人ともうまく付き合いなさい、つまり、コンフリクトからも新たな発見があるかもしれないと言っているのではないでしょうか? さすが、「際(きわ)」の魔術師、福沢さんですね。

    「学問のすすめ」の結びは、「人にして人を毛嫌いするなかれ」。 これは海外を見てきた福沢諭吉が日本人に言いたかったことの全てなのかも知れません。

    交わりを広くするの要はこの心事を成る丈け沢山にして、多芸多能一色に偏せず、様々の方向に由って人に接するに在り。腕押しと学問とは道同じからずして相与に謀るべからざるようなれども、世界の土地は広く人間の交際は繁多にして、三、五尾の鮒が井中に日月を消するとは少しく趣きを異にするものなり。人にして人を毛嫌いするなかれ。


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  • 2012.03
    覚悟はあるか?
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    夏目漱石は、『模倣と独立』(大正二年)の講演を、「人と一緒になって人の後に喰っ付いて行く人よりも、自分から何かしたい、こういう方が今の日本の状況から言えば大切であろうと思うのであります」と締めくくっています。 そして、「覚悟を以てわれわれは進んでいくべきものではないかと思う」と言っています。

    私なんて、ずっと「nothing to lose」という感覚が強かったものですから、中味がなくても形式が整っていなくても、わずかばかりですが、覚悟だけはあったと思います。


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  • 2012.02
    専門家とコンサルタントの違い
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    学生さんたちは就職活動に大変だと思います。 就職試験なんて、学生さん個々の人格を問うている訳じゃないので、面接で落とされようが気にする必要はないのです。 一流と言われる会社でも来年はどうなっているか分かりませんよ。

    ibg上海オフィスでも来週から中国人の大学生3名がインターン生として入ってきます。 1年間インターンとして働き(有給)、1年後、そのまま入社する人もいれば他社に行く学生もいます。

    左の図は、ibgの面接で最初に説明するスライドです。 ほとんどの応募者はコンサルタントやコンサルティングビジネスを理解していないのが普通なので、専門家とコンサルタントの違いを説明するのです(内緒ですが、実は日本のコンサルティング業界の人たちも知らない人が多いのですよ、、、)。

    ちなみに、英語で「body shop」という言葉があります。 これは、アメリカで見かける自動車の板金工場を指しています。表面上のへこみやキズを修理する店です。 故障を直すのでなく、外見だけを修復する修理工場で、品のないコンサルタントが競争相手のコンサルタントを見下すのに使います。


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  • 2012.01
    仕事と報酬
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    拘束時間に対して報酬があると考えているうちは成長しないし、そう考える社員を多く抱える組織は発展しないでしょう。 ここだけの話ですが、ibg のチャレンジは、日中の若い人たちにそれをどう理解してもらうかということです。

    仕事の中には自分の成長のため、勉強(修行)として働かなくてはいけないことがあります。それが、自分に対する投資です。 特に、若いうちにレベルの高い集団で仕事をすることの重要性はこういったところにあるのです。

    欧米のビジネスの世界では仕事を求める若者はインターン期間を経てトレイニーになります。 qualify(資格を有する)されるまでに数年かかるのが普通です。 日本では企業が一括採用して正社員になった後、新入社員教育で会社が面倒を見ます。 つまり、資格を有しない若者を正社員にして給料を払いながら教育してくれるのです。 欧米のビジネススクール(MBA)は、新入社員教育を学校が行うようなイメージと考えていいかと思います。

    「時間を拘束されることによってお金を貰っているのだ」と考える若者は日本と中国に多い(たぶん、日本より中国のほうが多い)。 仕事と報酬という基本的なことだって、国が変われば考え方は違ってきます。 グローバル化といっても、報酬のような基本的なことからちゃんと共通の認識をもっておかないと、うまく行かないと思います。

    さて、ibg の2012年はどう展開していくでしょうか?


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  • 2012.01
    一歩前に踏み出す
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    孔子は一生涯で一番大事なことを一字で言うならば、『恕(じょ)』であると言っています。

    相手の気持ちや考えを十分に理解した上でアクションをとりなさいということです。 コンサルティング・ビジネスの難しいところは、『恕』 だけじゃダメで、『恕』 になった上で、つまり、相手の心になった上で、岡目八目の価値をださないといけないことです。 理解できない相手だって出てきますからね、、、難しい。

    若い集団である ibg は、Year of the Dragon どこまで成長するでしょう? 高速にいっぱい失敗して高速に回復し、いつも一歩前に踏み出して欲しいものです。


    子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎、
    子曰、其恕乎、己所不欲、勿施於人

    子貢問いて曰く、「一言にしてもって終身これを行なうべきものありや」、
    子曰く、「それ恕か、己の欲せざるところは、人に施すなかれ」

    子貢が尋ねる、「一言で生涯守るべき信条となる、あるとすれば何でしょうか」 。孔子は言った、「恕だろう。人からされたくないことは、自分からも人にしないことだ」


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  • 2011.11
    福沢諭吉の子育てポリシー
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    福沢諭吉の子育ての主義は、「もっぱら身体を鍛えて、幼少のころから読書などさせない。 まずは、獣のような身体をつくり後で人の心を養う」というものです。

    社会人の基本は、健康管理が自分でちゃんと出来るということです。 健康でないと(physically tough)気持ちまで萎えてしまいます(mentally tough)。 コンサルタントの場合、月曜から金曜日に仕事で凹むようなことがあっても、週末に気分転換し、月曜の朝には100%の充電レベルで仕事にもどることができないとやっていけません。

    福沢諭吉 『福翁自伝』~ 体育を先にす

    「衣食にはよく気を付けてやり、また子供ながらも卑劣なことをしたり賤しい言葉を真似たりすればこれを咎めるのみ、その外は一切投げやりにして自由自在にしておくその有様は、犬猫の子を育てると変わることはない。 すなわちこれがまず獣身を成すの法にして、幸いに犬猫のように成長して無事無病、八、九歳か十歳にもなればソコデ初めて教育の門に入れて、本当に毎日、時を定めて修業をさせる」。


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  • 2011.11
    ビジネス 101
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    「Form Storm Norm Perform」って、101、つまり、ビジネスの基礎として学校で教わることです。 ビジネスで極めてベーシックなものを101(ワン・オー・ワン)と呼びます。 アメリカの大学で101は基礎科目の番号になっていることに由来します。

    Performできるまで、つまり、成果がでるまでに、Form Storm Norm の3つのステップが存在します。 いち早く組織がPerform段階に到達するために、マネジメントは努力します。 人の異動が少ない日本の組織では、Form、Stormのステップを省略する傾向にあります。 そして、いきなりPerformを求めることが多い。 また、日本人マネジメントの仕事は、品質や時間の管理に主眼が置かれます。 Form、Stormに関しては、無視するか、自分たちで解決しろという事なのでしょう。

    日本企業の方にこのスライドをお見せすると笑われることがあります。 内容が幼稚だと感じられるのでしょう。 しかし、実際は、Form、Stormのステップを重視しないため、プロジェクトが途中から泥沼になっていく場合が多い。 日本人が日本人以外の人たちと一緒にやるプロジェクトの場合、特に多いのです。

    政府間の交渉事だって同じですね。 Form、Stormをスキップしたり、バックアップ・プランやフォールバック・プランなしに交渉に入るなんて、向こう見ずな自殺行為ですね。 身ぐるみ剥がされちゃいますよ。


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  • 2011.11
    養分を吸収する
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    あまり焦らないほうがいい。 若いうちは、しっかりと根をはり、養分を吸収する態勢にしておくことが大事だと思います。 機が熟していくのを待つ。 焦ってもいきなり実は結ばない。

    根をしっかりと張っていないと、30代や40代になって生気を失い立ち枯れる可能性があります。 50代60代だと尚更のことでしょう。

    就職の面接で何を言われても気にしない方がいい。 面接する側は自分によく似た学生を高く評価する場合が多いものです。


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  • 2011.09
    プロフェッショナルがいなくなる
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    昔の日本は、仕事の中に生き甲斐を見つけるとか、より難しい問題に取り組んだり、一層高いレベルに到達することを目標としていたようなところがありました。 でも、今の日本を見ていると、仕事に対する考え方が少し違うのかなと思ってしまいます。 仕事に生き甲斐を感じるのは、ラーメン屋さんの湯切りの姿くらい? ちょっと言い過ぎですか?

    プロフェッショナルって、自分に満足することなく、常により高いレベルに達することを徹底的に追究する人たちです。仕事ができるようになると、より難しいレベルにチャレンジしたくなる。 一つ壁を乗り越えても、また次の壁がやってくる。 また乗り越えようと努力する、いや、努力じゃなくて、その過程に生き甲斐を感じて楽しむ。それがプロフェッショナルの道です。

    「学問を積み重ねてこれを知っているという人も、知ることが大好きだという人には及ばない。しかし、知ることが好きだという人も、楽しんで学んでいる人には及ばない」(「子曰、知之者不如好之者。好之者不如楽之者」論語)。

    プロフェッショナルは楽しみながらやっている人の中から生まれる。 楽しめる事を見つけることは重要です。 見つかるまで時間がかかるかもしれない。 でも、それは決して無駄な時間じゃない。

    追)新卒一括採用なんて半年のバカ騒ぎで一生を決めるようなことは今直ぐにでもやめた方がいいですね。 本当のプロフェッショナルがいなくなっちゃいます。


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  • 2011.08
    お肉屋さんにもあった! 『せめてあし(を)ふく』
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    三鷹のお肉屋さんにも『せめてあし(を)ふく』がありました。 これが日本の底力ですね!

    むかし昔、私が新入社員だったころ、先輩から『せめてあし(を)ふく』を教わりました。 外資系コンピュータ会社の先輩が、極めて日本的なことをいうのだなと思ったのですが、その後の海外での仕事を通じて『せめてあし(を)ふく』は、想像以上に重要なことだと分りました。

     せ  【背】 アゴを引いて背筋を伸ばす。 日本人は背が低いから反り返り気味くらいで丁度いい。

     め  【目】 相手の目を見る。 欧米や中国のビジネスではEYE BALL to EYE BALLが基本です。

     て  【手】 プレゼンをするときに手はフラフラさせない、過度に動かさない。 動かす場合は効果的に。

     あし 【足】 靴は綺麗に磨いておく。 足下を見られますからね。 私は面接する場合、必ず靴を見ます。

     ふく 【服】  先方の服装コードに合わせる。 わからない場合はコンサバで。

     くせ 【癖】 髪をかき上げたり、指でペンを回さない(私は出来ないので嫉妬していますが、、、)。


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  • 2011.06
    コミュニケーションのレベル
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    コミュニケーションのレベルが高度になると、信頼や協力関係も上がっていくという説明です。

    自分の部門の仕事だけが片付けばそれでいい、自分の与えられた仕事だけが完了すればそれでいいというのが、防御的(defensive)コミュニケーションです。 昔の日本軍の陸軍と海軍の関係や、多くの製造業でも製造部門と販売部門なんて、大抵は防御的コミュニケーションに陥っています。 これでは1+1が0.5にしかなりません。

    相手に敬意を表するコミュニケーション(respectful)というのは、少々分かり難いかも知れません。 顔では笑って友好的だけど、積極的に協力するまでには至っていない状態のことです。 会議を開催すれば参加するけれど、前向きな発言はしないで(笑顔で)黙っているケースです。 実は、外国人にとって日本人のこの態度が一番やりにくいのです。この状況では1+1は1.5です。

    1+1が3になるような相乗効果を生む(synergistic)コミュニケーションが、信頼を生み協力関係を構築して行くのです。

    アメリカが今後も強力で、中国が発展途上国のままであれば、これまで通りアメリカの子分として、列島の中で「見て見ぬふり」を決め込み、自分を騙し続ければいいのかも知れません。しかし、現実を冷静に見てみると、どうもそうは問屋が卸さないような気がします。 コミュニケーションだって、世界の認識を共有しておいたほうが、自己防衛のためにも賢明かもしれません。


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  • 2011.06
    バランスのとれた人材の養成
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    シンセサイザーとは、電子的に音を合成する楽器です。黒人のシンプルなブルースやソウルが好きな私としては、テクノポップや電子音楽は苦手ですが、ビジネス上必要なのは、このシンセサイジング機能です。
    迷走する日本の原因は、広い視野、深い洞察力を備えたリーダーの欠如であることは自明の理です。

    水戸黄門さんが言ってました。「大義名分の『名分』を手に入れた悪党ほど恐ろしいものはない」と。 リーダーの資質を著しく欠く人たちが、国家権力という『名分』を手に入れた場合、人質にとられた国民は不幸ですね。

    日本にリーダーが生まれないのは、アメリカの占領政策(学制改革)によるものかも知れませんが、今の日本の状況を見てみると、アメリカも文句は言わないでしょう。もう、バランスのとれたリーダーを養成するような教育課程を考え直してもいいと思いますよ。


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  • 2011.06
    成果ではなく、成果をあげるためのスキル
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    この一ヶ月の間、現役の大学生や大学の先生たちと話をする機会があり、私にとってはとても新鮮で、多くの発見がありました。

    世界で求められることは、画一的な訓練の集合体ではなく、合理性をもってスキルを積み上げることです。 それは、世界で通用する価値観に基づいたものです。 日本はダメだと言っているのではありません。 より多くの人の話を聞いて、見て、冷静に自分の人生のビジョンを考えて欲しいのです。 人生のビジョンだなんて大袈裟そうですが、先ずは自分の好き嫌いをはっきりとさせておくことです。


    コンサルタントは、クライアントにとって価値のある成果をあげなければなりません。 そのためには、クライアントやマーケット(市場)をよく観察し、成果をあげるための能力(スキル)に注目します。 クライアントの需要と自分のスキルの間で、つねに適切なバランスをとる必要があるのです。


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  • 2011.05
    人生の戦略と実行
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    昔は国営企業だった「全聚徳」北京ダックレストラン。30年前はとんでもないサービスの店でした。今では株式も上場しサービスも資本主義国家のものになっています。東京にも2店舗出店しています。

    温家宝首相が先月、「誠意の欠落、道徳低下が深刻な状態」だと発言し、国民の道徳向上の重要性を訴えました。「国民の素質の向上と道徳の力がなければ、決して真の強大な国にはなれない」と言うわけです。30年たったら日本が中国に道徳を習う時が来るかも知れませんよ。

    日本の若い人たちには、今の生活で精一杯なんて言わないで、将来のことを考えて欲しいですね。どのような人生を送りたいかを今のうちに考える。それが人生のVISIONです。VISIONがないと、つまり、「What To Do」の部分がないと、どのように実現するかという実行計画(「How To Do」の部分)には突入できないでしょう。 Strategy(戦略)とExecution(実行)を混同してはいけません。

    冷静に現状を見つめてチャンスを探して欲しいものです


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  • 2011.05
    プロジェクト管理ということ
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    論語に「君子不器(くんしふき)」と言うのがあります。以前、このブログでも言及したことがありましたっけ?

    私は、この「器」というのは英語で言う「function(ファンクション)」だと思っています。 「縦割りの機能」と言うことです。君子たるもの、ひとつの機能(部門または専門分野)だけではダメで、「process(プロセス)」で考えなさいと言っているのでしょう。

    プロジェクト管理とは、幅広く考える。先を考える。統合して横断的に考える。うーん、なかなか難しいですね。プロジェクトも、企業も政府も、そして、個人の人生も同じですね。


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    以下、過去のブログより
    これだけ知ればアナタも論語通!

    「え~、またロンゴ~~~」と言わないで下さい。

    最小の知識で最大の効果。「君子不器」だけでも覚えておいて下さい。わずか四つの漢字です。ナイショですが、私は二つ三つのセンテンスしか知りません。でも、効果は抜群です。

    「君子不器」、君子(くんし)は器(うつわ)ならず。

    優れた人物は、ただ一つの才能に優れているだけでなく、どんなことにもうまく対応するものだということです。英語で言うcomprehensiveですね。

    乱暴に分類すると、世の中には2つの種類の仕事があると思います。一つは、決められた枠の中に定められたルールに従って数字を並べていくような仕事、もう一つは、曖昧模糊としたものに対して何らかの枠を設けるような仕事です。前者の代表格は会計士や税理士のような仕事で、後者は資格試験もライセンスも存在しないコンサルタントですね。

    実は、コンサルタントも若い頃は特定の分野に専念します。まだ新人なのにクライアント企業の幹部に「私は経営コンサルタントです」と言っても相手にしてもらえません。

    「君子不器」の「器」は自分の専門分野のことで、器に特化する人はスペシャリストです。スペシャリストに対しゼネラリストという言葉があり、日本企業では「何でも屋」とあまり良い意味で使われないようです。しかし、欧米ではゼネラリストに「何でも屋」といった貶んだ意味合いはありません。マネジメントと言われる人たちは、スペシャリストとしてキャリアを経たゼネラリストなのです。

    「君子不器」は、スペシャリストからゼネラリストへのシフト、つまり、ある年齢になったら一つの分野だけでなく、複数にわたる分野や人・組織をまとめるマネジメントスキルが必要だと言っているのでしょう。

    政界で言えば、官僚をうまく操る政治家ですね。今の日本は政治家(大臣)なのか官僚なのか区別がつきませんが、、、おっと、余計なことでした。


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  • 2011.04
    「根回し」は世界共通のツール
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    「根回し」とは、関係者に意図や事情などを説明し、ある程度までの了解を事前に得ておくことです。木を植え替えるときに周囲をあらかじめ掘って、細根(栄養素を取り込む吸収根)を発達させることから、意味が転じた言葉だそうです。

    「根回し」が行われるのは日本社会だけのものではありません。アメリカのビジネス界でも一般的です。もちろん、「根回し」という表現は使いませんよ。英語では何と言ったらいいのでしょうね。「level setting」、「no big surprise」ですかね、、、。私は「事前にレベルをセットしておく」とか、「相手にサプライズを与えてはいけないから事前に情報を共有(share)しておく」というように使ってきました。アクションをとれば、必ずリアクションがありますからね。

    商売上の秘密でネタばらしをしたくないのですが、、、実は、アメリカでコンサルタント・ビジネスが日本よりも活発なのは、企業がお金を払って「根回し」を外部の人、つまり、コンサルタントに依頼するからです。第三者であるコンサルタントのほうが情勢や利害得失などを正しく判断できる場合が多いからです。そう、「岡目八目」ということです。碁を肩越しに見ていると、実際に碁を打っている人よりも、八目も先まで手を見越すことができるという「岡目八目」です(岡目はwatch over one’s shoulderです。この表現もよく使います)。

    要するに、「根回し」は非常に高度なコミュニケーション・スキルと言うことです。長期にわたって、何度でも、根気よく、浅くてもいいから広く行うこと、これらが肝要です。


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  • 2011.03
    日本人比較幸福論
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    私は30年以上「日本人比較幸福論」を唱えています(大袈裟ですねぇ、単に勝手に考えているだけです)。

    日本では「他人と比較して自分がどうだから、、、」と言ったことが「幸せ」のベースになっています。幸福感は自主的で絶対的なものではないのが日本人社会の特徴だと思うのです。まわりと比較して、自分は「まだいい」とか「まだましだ」とかいって幸せになる。これが私が言うところの「日本人比較幸福論」です。

    ビジネス上でもよく似たことが起こります。

    名刺交換した時から双方の間に優劣ができます。会社の大きい方が小さい方に対し強気にでるのが常です。会社の名前だけでなく、名刺に書いてある職位も重要です。会社によって職位の呼称などはそれぞれ異なっているのに、、、であります。買う側は、売る側に対し通常は強い態度に出ます。価格交渉に入ってもこの関係は崩れません。売り手は「思い通りの値で売ることができた」、買い手は「思い通りの値で安く買えた」と言う、つまり、双方が「自分が勝った」と思う「WIN-WIN PROPOSITION」でビジネスが成立することはごく稀なのです。

    尤も、社会に出る前の学生の人気投票で会社の番付ができ、「一流企業」というイメージができるのがニッポンの現状です。こういった情況は早晩変わらざるを得ないのだろうと思っていました。しかし、残念ながら20、30年たった今でもあまり変わっていません。

    中国人はどうでしょうか?

    中国人は他人と比較して幸福感を得るのではなく、自分の所有するモノを比較して幸せを感じる人たちです。極めて主観的です。不動産を買うとします(中国で土地は買えませんが)。一旦不動産を買うと、より良い条件の物件に買い換えることを考え出します。自分の所有するモノの価値が少しでも上がれば限りない幸福を感じるのです。不動産が異常に高騰した上海の物件価格で、北海道で条件のいい広大な土地が買えるのであれば、北海道の土地を購入します。勿論、優しく安全な日本で老後を暮らそうという考えもあるようですが。「サザエの殻」なんて考えていない、つまり、国境を越えたダイナミズムは、日本人とは比較になりません。そして、見逃せないのは、比較する物差しは自分独自のものを持っていて自己決定するということです。

    日本で自分の物差しを持った場合、小中学生であれば協調性がないと言われ、会社だと生意気なやつだと上司に嫌われませんか?

    誤解を与えるといけないので、最後に、、、。 私は自分自身の物差しを持っているつもりですが、サザエの殻は大事だと思っています。殻があって世界の中でうまくやっていけるダイナミズムが正しいと思います。殻がないと世界は崩壊しますからね。


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  • 2010.12
    小さい時から価値観の形成って大事ですよ
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    今日は12月8日です。30年前、ビートルズのジョン・レノンがマンハッタンのウエストサイドにあるダコタハウスの前で凶弾に倒れた日です。私の誕生日でもあります。私は凡人ですから、まだのうのうと生きていますね。特に優れたところがない私なのですが、少しばかり偉そうに、グローバルな環境で仕事をする上で一番重要なことに関してコメントします。

    夏目漱石が「私の個人主義」で言っていることにも通じます。漱石がイギリスで胃が痛くなるほど考えた個人主義というのは、利己主義とか自分勝手という意味ではなく、自分のバックボーンとなる考えを確認し、信念をもって自分の道を進んで行くというものです。それは、自分だけでなく他人をも認めることなのです。

    「グローバル」でも「インターナショナル」でも、言葉はどちらでもいいのですが、そういった環境で仕事をする時に大事なことは、「他者の価値観を理解すること」だと思います。全ての人の価値観が同じであることを前提としてはいけません。もし、あなたが管理職であれば、部下の価値観を理解して、行動を予測し、彼らのやる気を高め、チームとして仕事の成果に結びつくような施策を講じたり、指導する力が要求されます。

    そこで、まずやらなければならないことは、自分自身の価値観をしっかりと認識しておくことです。このあたりが、イギリスで気づいた夏目漱石の「自分本位」なのです。そうした上で、あらゆるコミュニケーションを通じてチームメンバー一人一人の価値観を理解するように努めなければなりません。組織内でのコミュニケーションは、友人と無駄口をたたく(babbling)のではないので、何らかの考えをもってメンバー全員と会話をすることです。

    日本人だけの職場であれば、実はそれほど大きな問題はないのです。なぜならば、暗黙知としてある文化的な背景は共有するわけですから(今のところ?)。しかし、国籍の違う人たちと一緒に仕事をする場合、彼らはあなたを意識する前に、彼らの持つ先入観を通して日本人としてのあなたを見ます。それがスタートポイントとなります。したがって、日本人であるあたなは、日本や日本人のことをよく理解しておかなければなりません。そうした上で、「自分の価値観はこうだ」と行動や言葉で仲間や部下に理解してもらうようにするのです。チームメンバーとの価値観のギャップを認識して、そのギャップをマネージするのが大事な仕事となります。

    ちょっと堅苦しかったですね。先ほど、YouTubeでジョン・レノンの「Don’t Let Me Down」と「Instant Karma!」を聞きました。YouTubeに感謝です!


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  • 2010.12
    常にアウトプットを意識する
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    図書館で「別冊太陽 三島由紀夫」を借りてきました。

    三島由紀夫の自筆原稿や書簡が写真で多数紹介されています。三島由紀夫という人は、常にアウトプットを考えて創作したり死ぬまで人生を送っていたことがよく分かります。私みたいに思いつきで非論理的な文章をブログにアップするのではありません。比較するなんて失礼ですね、何を考えているのでしょう。

    三島由起夫のことばかり書くと有らぬ誤解をされかねないので、本日のメッセージです。「常にアウトプットを意識して考えたり行動することは大事だ」と言うことです。
    我々のようなコンサルティングビジネスでは非常に重要なことです。メンバーで議論に議論を重ね、時間をかけて膨大な資料を作成しても、クライアントへのプレゼンテーションでうまく伝えられなければ価値はないのです。

    30年近く前、北京でアメリカ人の先輩と仕事をしていた時のことです。アメリカ人と言っても、元々はベトナム人で、後にアメリカ国籍を取得した大変頭脳明晰な女性でした。彼女からは色々と学びました。私の電子メールの書き方の問題点を指摘してくれました。それは、「1ページ目に結論を書け」ということでした。「マネジャーは忙しいので、電子メールが長いと2ページ目は読まないよ」と言うのです。これも、アウトプットをよく考えてアクションをとるということだと思います。


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  • 2010.11
    三省の日々です
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    コンサルティング・ビジネスは、商品がサービス、つまり、人によって提供されますから、コミュニケーション・スキルは大切です。コミュニケーション・スキルとは、ただ単に、プレゼンテーションが出来るとか、ミーティングでファシリテーションができるとかではないのです。

    論語には、コンサルタント育成に使える指標が数多くあります。以下の文は、コミュニケーション・スキルの核心を衝いています。これは、カウンセリングを行うときにカウンセラーが注意すべき点でもあります。

    曾子曰。吾日三省吾身。爲人謀而不忠乎。與朋友交而不信乎。傳不習乎。

    曾子曰く、吾(われ)、日に三たび吾が身を省みる。人の為に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか。朋友(ほうゆう)と交りて信ならざるか。習わざるを伝うるか。

    孔子の門人の曾子言った。私は一日の中で何回も何回も(三たび)、以下の点について反省する。

    1. 他人のために相談に乗った時、本当に誠意をもって考えてあげたか?
    2. 仲間との交際において、十分に信義を尽くしたか?
    3. 自分がちゃんと理解していないことを、他人に教え伝えはしなかったか?


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  • 2010.08
    中国語で「知道」とは?
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    中国語は英語よりも日本人にとって習得しやすい外国語だと思います。漢字だからですね。現在、中国(大陸)で使われている簡略化された漢字(簡体字)は何とも興ざめですが、従来の漢字(繁体字)は視覚的に多くを語ってくれます。趣があっていいですね。

    弊社には中国語の達人である日本人コンサルタントが何名かいます。彼らは通訳ではありませんので、コンサルティング業務を中国語で行います。すごいですね。F君もその一人です。週末、F君が会議のために北京から東京に戻ってきたので話をしました。面白いことを教えてくれたのでご紹介します。

    中国語で「知道」(zhi dao)と言うのは、知っている、分かっている、心得ているという意味です。

    ① 不知道、不知道。分かっていないということを、知らない
    ② 知道、不知道。分かっていないということを、知っている
    ③ 知道、知道。分かっている部分を、知っている(自覚している)
    ④ 不知道、知道。分かっている部分を、知らない(知らないと思っていたが、本当は分かっていた)

    以下は、F君の解釈です。

    ①は、仕事を多少経験して、「俺はデキルなぁ」と思っている状態。クライアントから見ればまだまだで、上司から見ればちょっとヤッカイ。日本のゆとり世代や中国の「80後」(1980年以降の生まれ)に多く見られる傾向。

    ②は、壁に何度かぶつかることによって、問題を環境や他人のせいにせず、自分の問題として考えることができるようになり、「自分はまだまだだなぁ」と思っている状態。クライアントから見ればやはりまだまだ、ただし上司は「こいつは伸びてきている。可能性がある」と思っている。素直な人がこの状況にたどり着くのが早い。

    ③は、素直に学び続け、「自分も少しは価値が出せるようになった」と思っている状態。これは、自分が出来る部分を知っていると同時に、出来ない部分も分かっている。この段階になると部下もいて、上司からは「任せても大丈夫」と思われている。

    は、様々な経験を積み重ね、悩み、幅広く物事を考えた結果、「自分は欠点だらけだ」と思っている状態。本当の実力は相当なもので、周りは一目置いている。ただし、自分の目標や理想が高いため(高いという認識もないことが多い)、満足していない。自分の価値を全て部下に伝えられないが、謙虚さは③より高く、周りから(特に部下から)敬遠されない。この上司から学べるかは部下の能力にもよる。

    ここまで読んで頂けましたか? 「知」、「道」、「不」という3つの漢字の組み合わせで、これだけ多くのことを説明できるのですね。

    「多謝!(duo xie)」。


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  • 2010.03
    トラスト・ミー ~ Trust Me とは?
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    今回は少々英語の勉強です。

    このスライドは、もう随分昔に作ったものですが、いまだにチームビルディングやコミュニケーションの説明に使用しています。アメリカ人にも中国人にも台湾人に対しても実績があります。日本人に対しては、、、、、? 最近、どうも自信がなくなってきました。

    信頼関係の構築は、暗闇のなかでの「空中ブランコ(Trapeze)」のようなものであると言っています。信頼関係は、a trusting relationshipです。「信頼するとは、相手のスキル(技量)とコミットメント(確約)を確認すること」です。スキルとコミットメントの片方が欠けていては、信頼は成り立ちません。つまり、空中ブランコのパートナーにスキルがあっても受け取ってくれるコミットメントを確認するまで飛べませんし、受け取る意思はあっても受け取るスキルがないと危なくて飛べないのです。

    さて、我が国のリーダーは、トラスト・ミー ~ Trust Me の意味をご存じでしょうか?


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  • 2010.03
    第4回 座談会の話題から
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    上のスライドは、「コンサルタント育成のフレームワーク」として我々が使っているものです。

    コンサルタントは、それぞれが専門的なスキルをもって仕事をしているわけですが、一番大事なことは、赤線で囲んだ基礎の部分です。この「アトリビュート」と「基本スキル」ができていないのに、専門スキルだけあっても、これはコンサルタントとして成功はしません。そして、これらの基本的なスキルは、大人になってからでは手遅れであるものも多く、子どもの頃からの積み重ねによる部分が大きいのです。

    例えば、コミュニケーションスキルです。コミュニケーションスキルは、ビジネスの世界で重要とされており、入社試験でもキーポイントであると言われています。しかし、企業の面接担当者は、コミュニケーションスキルがどういったことか、ちゃんと理解して大学生を面接しているのでしょうか?かなり怪しいですね。

    コミュニケーションスキルとは、自分を知り自分を表現し、かつ、相手の立場を理解できるということです。これが大前提です。最近の言葉では、「KY(空気が読める)」と言うことかも知れません。孫子の兵法で言えば、「知己知彼、百戦百勝」です。

    では、このコミュニケーションスキルはどうやって形成されるのでしょう。

    私は子どもの頃の読書に端を発するのではないかと思っています。つまり、読解力の養成です。本を読んで読解力を養うことが、コミュニケーションスキルの基礎になるのです。読解力がないのにビジネスの交渉で相手の気持ちを読むことは簡単にはできません。読解力が不十分で日本語の会話がままならない情況で、外国語でのコミュニケーションとなると、ひっくり返っても出来ない相談なのです。

    上のスライドの一番下のアトリビュートの多くは、子どもの頃からの積み重ねだと思います。そして、コミュニケーションの基礎となるものです。


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  • 2010.01
    コンフリクト・マネジメント
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    これは、コンサルタント育成のクラスで使用してきたものです。コンサルタントは、客先での会議をファシリテート(議事進行)する機会があります。議論を活発にして色んな意見を出してもらい、次のステップにまとめなければいけません。

    意見の対立がありすぎると期待する成果は出てきません(X軸の右側)、また、意見の対立が全くなくても、これまた、成果は出ないのです(X軸の左側)。ちょうどよい所で、バランスをとって、成果を最大にしなくてはいけないのです(Y軸)。

    あまりにも単純で、当然のことのように思われるかも知れませんが、ビジネスの世界では、これがなかなか出来ていないのです。議論に欧米人や中国人、つまり非日本人が混じり、英語での会議ともなると、同じ会社の人同士の会議でも上図の左か右に偏ってしまいます。

    また、もう一つの日本人の特徴があります。それは、自分の意見がないにもかかわらず、他人の意見に反対して熱狂的になることです。つまり、自分の軸(プリンシプル)が曖昧であるにもかかわらず、単に一つの意見に反対することによって、それを自分の意見として声高に主張してしまうのです。

    コンサルタントのテクニックであるコンフリクト・マネジメントは、親が日常で子どもに接するときにも使えるテクニックだと思います。子どもとの会話をできるだけ活発にし、子どもに自分の考えを発言させるため、親は優秀なファシリテーターであるべきだと思います。
  • 2010.01
    コンサルタントのアトリビュート
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    アトリビュートとは特質のことで、哲学の世界では「本質的な性質」という意味があるようです。

    コンサルタントに必要なアトリビュートには、以下のようなものがあります。

    -チームワーク
    -柔軟性
    -向上心
    -リーダーシップ
    -創造力
    -イニシアチブ
    -判断力
    -信頼感
    -多様性の尊重
    -プロフェッショナリズム(プロ根性)
    -強靱な精神力とスタミナ
    -インテグリティ(高潔さ)

    コンサルタントは、通常、専門的なスキルを身につけている訳ですが、専門知識がどれだけ優れていても、上記のようなアトリビュートが欠落している場合、コンサルタントとして成功はしません。

    ここで申し上げたいのは、子供のころから意識しておいたほうがいいと思うアトリビュートが多いということです。決して、先天的なものではありませんし、大人になってから短期間の訓練で身につくものでもありません。
  • 2010.01
    コンサルタントのスキル
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    コンサルタントの仕事は、ジャズやブルースの即興演奏(ジャムセッション)に似ています。ジャムセッションと言うのは、プレーヤーが楽器を通じて即興で演奏、つまりコミュニケーションすることです。

    1. スキル、これは何らかの楽器、又は歌ができる。
    2.即興と言っても、コード進行などの基本理論は理解している。
    3.観衆を魅了する情熱がある。
    4.演奏することで楽しんでいる。
    5.一人一人がリーダーをやる能力がある。

    グローバルなビジネス環境で仕事をするためには、このジャムセッションの感覚が大切だと思います。
  • 2009.12
    ibg とは?
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    少し、インターブリッジ・グループ(ibg)のことについてお話します。ibg はマネジメント・コンサルティング会社です。

    我々の「Vision」は以下の通りです。

    今後、益々グローバル時代に対応できる人材が不足するでしょう。ibg は世界で不足するグローバル時代に対応できる人材をマーケットに供給しようと考えています(人材派遣の会社ではありません、念のため)。

    グローバル対応の人材不足は、アメリカ、ヨーロッパ、どこも同じです。しかし、日本がアメリカ、ヨーロッパ先進国の後塵を拝していることは疑う余地がありません。

    これまでは、先輩に学び上司の意向に副った仕事のやり方でよかった。しかし、これから必要とされるのは、全体を見渡し方向性を見据えた上で、自分は何ができ何をすべきかを相手の目線で考えることです。

    そしてもう1つ。従来のやり方では、一つの問題を解決するのに、一つの分野にだけ通じていれば大抵の場合は何とかなりました。しかし、世の中はより複雑に、より高度に変化しており、問題はあらゆる分野に渡っています。それらの問題を解決するには、自分の専門分野のみならず、人文科学と自然科学の融合、知識と実践を交互に行き来する経験の積み重ね、それらを通じて魅力的な人格形成が必要となると思います。

    ibg のサービスは、社会が今後益々必要とする人材によって提供されます:

    * 文化の違いを超えて対話や議論ができる人
    * 自分で考えて問題を解決する能力がある人
    * 専門性に加え一般教養を備えた情熱的な人

    ibg のサービスは、顧客の個々人によって異なる要求を、高度なレベルでセンス(感知)して、それに素早くレスポンド(対応)できる人材によって提供されます。ibg のメンバーは、会社の規模や知名度に左右されることなく、誇りをもって、やりがいのある仕事をしながら充実した生活を送る姿勢を貫きます。


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